ブロンフマン×サロネン・フィルハーモニア。ビロードに水晶を転がせる絶品の協奏曲

AppleのCMに登場し、その知的な音楽性がクールに広まった世界的指揮者・作曲家のエサ=ペッカ・サロネン


Apple - iPad Air - TV Ad - Esa-Pekka's Verse - YouTube

 

彼が首席指揮者を務め、共に「The orchestra(オーケストラ)」というiPadアプリも開発したフィルハーモニア管弦楽団との来日公演へ行った(2015年3月6日)。

オーケストラ

オーケストラ

  • Touchpress Limited
  • ミュージック
  • ¥1,400

 サロネンは個人的にとても好きな指揮者だ。1998年に同コンビで来日して振った現代音楽作曲家ジェルジ・リゲティの『アトモスフェール』と『ロンターノ』が、さすが自身が作曲家でもある現代音楽のスペシャリスト的演奏で、気が遠くなりそうな美しさに衝撃を受けたことを今も思い出す。


今回のこの日の曲目は、前半がイェフィム・ブロンフマンを迎えてのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。

サロネンが有名な堂々たる序奏の主題を豪華に鳴らす。フィルハーモニア管は弦楽器が極上で、分厚く温かみのある音。サロネンは細かく表情付けし、オケがそれに十二分に応える。

そしていよいよピアノ登場だが、ブロンフマン、凄まじかった! 巨体から繰り出される豪快な音は想像つくのだが、オケと融合する場面などはとにかく抑えて音を美味く溶け合わせる。

 

最初のカデンツァ後半(48小節目)において、フォルテの低音が終わった後、ペダルを踏みっぱなしにし、高音を別のレイヤーでなでるような優しいタッチで被せてきた時の音の対比はゾクゾクさせる効果。

 

終始こんな感じなのだ。はっきりと斬新、というわけではないのだが、ちょっとしたアイデアや解釈で、全く聴いたことのないチャイコだった。サロネンと音のイメージが一致している印象で、サロネンがエレガントなフィルハーモニアを鳴らす、美しいビロードのオケの絨毯の上をブロンフマンが水晶の玉を転がせるような、そんな軌跡のような演奏だった。

曲が終わると、客席からはブラボーが飛び交い、アンコールに応じたブロンフマンだが、始まった瞬間、またしても驚愕した。なんと、プロコフィエフの戦争ソナタ第7番の終楽章! アンコールにこんなメイン曲が聴けるなんて! しかもこれがまた絶品。強打だけで進めるのではなく、完璧なテクニックで疾走感もって進むが、クレッシェンド・デクレッシェンドの動きがとにかくなめらか。しなやかな鞭のように音楽が動く。息苦しいと思ったら、思わず呼吸を止めて聴き入ってしまっていた自分に気が付いた。

 

これまた大喝采となったわけだが、更にもう1曲アンコールが! 今度は打って変わってショパンの練習曲10-8。分散和音が高低に展開するこの曲を何の苦労もなく爽快に優しく奏でるブロンフマン。最後のアルペジオのやわらかでチャーミングなこと! 絶品すぎるデザート=アンコールでした。

休憩時に、音楽ジャーナリストの渡辺謙太郎さんとばったりお会いし、お互い「すごい演奏でしたね!」と大興奮。演奏の感動をこう共有できるのは本当に楽しいものだ。

後半は、サロネンがお得意のストラヴィンスキーから『火の鳥』。明快に精緻に作品の色合いをくっきり見せて演奏していく。が、面白いと思ったのが、無調的になる部分の響かせ方だ。バランスを持って鳴らさせるため、音が濁るのではなく、それぞれが水平にキレイに並び、全体として神秘的に美しく響かせる。それは、この先にリゲティたちがいることを感じさせるものだった。

有名なカスチェイの手下の踊りは快速テンポだが、その前のカスチェイが登場した際の盛り上がり方が凄みあり。

そういえばホルンが活躍する箇所が多々あるが、とても上手だなぁ、と唸ったが、そうだ、よくよく考えれば、これはホルンの名手デニス・ブレインを擁したフィルハーモニア管なのだった(ナイジェル・ブラック?)。

あと、その他、バンダがRC席あたりにいたのだが、サロネンはステージに背を向けてバンドに指揮する場面も。ファンとしてはそんなことも嬉しかったり(笑)。

大団円のとき、金管がベルアップし、音圧を感じるような、とてつもない音量にも驚く。いやぁ、面白かった。

そしてアンコールは、サロネンの紹介により、ラヴェルの『マ・メール・ロワ』から「妖精の園」。弦をきれいに織り成す極上のデザート。楽団員が捌ける中、拍手に応じて再度姿を見せるサロネン。そこでも、さっ、とお辞儀をし、身軽にバックステージに戻る。これがサロネン。クール!

 

この公演に先立ち、3/3にミューザ川崎さんにて、フィルハーモニア管のデジタル部門担当者による「音楽とテクノロジー」の取り組みについてのセミナーが行われ伺ったが、そこで担当者が何度も言っていて印象的だったのが、とにかくマエストロ・サロネンが協力的である、ということ。本当に素晴らしいパートナーなのだと思う。そんな中からアプリが生まれ、ホールのない地方でも演奏できる移動屋外ステージができ、子どもでも演奏できるセンサー埋め込みの楽器ができているのだ。

しかも、彼らのアイデアと実行力ある活動は、今後も時代の最先端を突き進むことだろう。

3週間で100万食! ミニストップの限定チョコソフトが“世界一”な理由

ミニストップと言えば『ソフトクリーム』

コンビニの『ミニストップ』と聞けば、条件反射的に連想するのが「ソフトクリーム」。

ミルキーな美味しさはコンビニソフトの中でも他の追随を許さぬ、もはや王者の風格。ソフトクリームファンの間では言わずと知れた名品ですよね。

その美味しさの秘密ですが、まずは、


ミニストップの「ソフトクリーム バニラ」は、北海道産の生乳と純生クリームにこだわり、牧場で食べるような、やわらかくてなめらかな食感と、キレのよいさっぱりとしたコクを目指して開発しました。

愛され続ける名品 ミニストップのソフトクリーム [コンビニグルメ] All About

とのこと。コーンにもこだわりあり、更に「ソフトクリームマイスター」の社内資格まであると言うのですから、その本気度が伺えます。

バニラに限らず、シーズン毎に登場する新味も注目ですが、今、このソフトクリームOFFシーズンに、密かに革命的な商品が登場していました!

それは「プレミアム ベルギーチョコ ソフト」です。


■空前のチョコレートブームに登場した世界一のチョコレートソフト

f:id:shinternet:20150308130810j:plain

昨今、チョコレートは一大ブーム。
中でも、最大の話題が「サロン・デュ・ショコラ」(バレンタインは別格として!)。元はフランス・パリで行われてきた世界最大のチョコレート見本市ですが、その日本版を伊勢丹が2003年1月から開催。毎年、世界のスター・ショコラティエが出店し、また期間中に来日し気軽にサインに応じるなど、特別なイベントに成長。


催事スペースを増やしても来場者は年々増え、今年2015年1月はなんと伊勢丹ではなく、イベントスペースの新宿NSビルで実施。それも盛況で終えました。

そんなブームだからこそ、コンビニソフトの王者ミニストップが開発に際し協力を求めたのが、チョコレートの王者・水野直己シェフ。

なんと、ワールドチョコレートマスターズ2007フランス・パリ世界大会において総合優勝を遂げ、世界のスイーツ界で「ナオミ・ミズノ」として知られる正真正銘の「世界一のショコラティエ」です。


彼の作るショコラは繊細で上品でなめらか。味わいは深く調和され、どれも「どうしてこんなに美味しいものが作れるのだろう?」と驚くものばかり。

そんな最強タッグが生み出したチョコレートソフトのお味は……、

カカオ分70%の濃厚なベルギーチョコレートに、なんとショコレートと相性の良い「あんず」の香りをプラス。コーンにもショコラを入れ、更に塩を加えることで甘さを引き締めていて、これが270円とは信じられないクオリティ。

う~ん、一口食べてあんずの香りが広がる。これはバランスが良い。チョコレートは濃厚すぎず、あんずと一体に。コーンも油臭さなど皆無。チョコレートが加えられているので、ソフトクリーム自体との相性はもちろんばっちり。

水野シェフが元々作られていたチョコレートソフトクリームもとても美味しいものでしたが、これはまた別のとても完成度の高いもの。

販売量が限定されているとのことで、とにかく急いで食べることをオススメします!

※と書いていたら、3週間で100万食を達成したとの情報が!

プレミアムベルギーチョコソフト100万食販売! 女優シャーロット・ケイト・フォックスさん、「ダイジョウブ!!」のセリフで ミニストップ「プレミアムベルギーチョコソフト」を応援 | プレスリリース | MINISTOP

 

※なお、下は、水野シェフ(洋菓子マウンテン)の通常のチョコレートの一例。傷が全くないというか、作りの良さ、素材の良さでこんなにも美味しいものができるのか、と幸せな気持ちになるもの。シェフの穏やかで優しい人柄がチョコレートに現れている気がします。パッケージのこだわりもさすが。

洋菓子マウンテン

f:id:shinternet:20150308131612j:plain

孤高のピアニスト、アンデルシェフスキが、タイムマシンに乗って会いたい作曲家は?

孤高の道を行くピアニスト、ピョートル・アンデルシェフスキが来日中だ。

記事で紹介したJ.S.バッハ『イギリス組曲第1、3、5番』のCDと


クラシック音楽のおすすめ新譜CD 2015年2月 [クラシック] All About

 コンサートチケットを購入した方の中から抽選で70名が招待されたスペシャル・トークセッションが2/20に行われた。


そのイギリス組曲のCD録音でも、納得がいくまで幾度となく録音を繰り返したという、完璧主義者。

さぞかし神経質な変人。。と思いきや、変人は変人だが(失礼!)、のんびりマイペースでフレンドリーな、ちょっとおとぼけキャラ(笑)。

「永らく過ごしたリスボンをテーマにした映画を作りたい」「小説を書きたい、というかちょっとずつ書いてる」など流石のクリエイティブな鬼才的な面も見せるが、タイムマシンに真っ先に乗って会いたい作曲家は「ショパン。彼はすごい昔の遠い遠い世界の人という感じがする反面、ここにショパンが座っていたら『ちょっと紅茶の砂糖を取ってくれる?』と声かけられる、そんな感じがします」というユルい返答も(笑)。

一番興味深かったのは、今までに録音した作品の中で再録音したいと思うものは何か?という質問への答え。

「ないです。というのも、録音には真面目すぎるくらい真剣に取り組んで一つの作品として作り上げているので、そこから時間が経っても作品の見方が大きく変わるということがない」

確かに彼の録音は、どれも考えに考えられ、また完璧に演奏されている名盤揃い。だが、解釈が変わることがない、と断言するあたりやはり鬼才。。脳が凡人と全く違う感じを強めたのでした。


【公演情報】
■2月22日(日)15:00~ 名古屋/愛知県芸術劇場 コンサートホール
NHK交響楽団 定期演奏会(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K.503
【問】愛知県芸術劇場 052-971-5609

■2月25日(水)19:00~ 東京/東京オペラシティ

J.S.バッハフランス風序曲 ロ短調 BWV831
J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808
シューマン: 精霊の主題による変奏曲
シューマン: 幻想曲 ハ長調 op.17


【問】カジモト・イープラス 0570-06-9960

■2月27日(金)19:00~ 神奈川/フィリアホール

【プログラムC:リサイタル】
J.S.バッハ: フランス風序曲 ロ短調 BWV831
J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808
シューマン: 8つのノヴェレッテ op.21から 第8番 嬰ヘ短調
シューマン: 幻想曲 ハ長調 op.17

【問】フィリアホールチケットセンター 045-982-9999

 

【CD情報】

English Suites

English Suites

 

 

熟成された芳醇なマリス・ヤンソンス&バイエルン放送響、来日

長期熟成ワインの飲み頃のように、熟成された飲み頃を感じる“美味しい”指揮者といえばマリス・ヤンソンスだろう。

2003年からドイツの名門・バイエルン放送交響楽団、2004年から3大オーケストラと言われるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団首席指揮者に就任という、この上ないポストを兼任。

正直に言って、同世代の指揮者、例えば同い年のジェームズ・レヴァインが30代前半でメトロポリタン歌劇場の音楽監督となり活躍したのと比べると、実力派ながらいまいちポピュラーにならない印象が永らくあったが、その上の集大成に入る世代、その下のこれから円熟を迎える世代の間で、今、もっともバランス良く美味しい指揮者でしょう(というと何だか無礼な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、極めてリスペクトしています)。

名パートナーであるバイエルン放送交響楽団との公演へ行った(2014年11月25日@サントリーホール)。

大御所クリスチャン・ツィメルマンを迎えたブラームスのピアノ協奏曲第1番から始まるが、なんと風格のある演奏。巨人たちの名演だ。これだけ大物の組み合わせになると流石というか、共に引き立て合うというか、もちろんバイエルン放送響ならではの豊かな響きも相俟って、芳醇。最初の喩えと飲み物が違ってしまうが、永らく熟成されたウイスキーをいただくかのよう。ホール全体に満ちる温かく豊かな音が心地良い。ツィメルマンは(一部ミスタッチがあったことは驚いたが)変わらずの別格の高貴な演奏で、1楽章テンポプリモでの強靭で急き立てるような打鍵など度肝を抜かれる場面も(テンポプリモより速いと思われたが笑)。

あと、冒頭5小節目のティンパニのクレッシェンド&デクレッシェンドが前年に聴いたアンドリス・ネルソンスの演奏と酷似していて、その後も似た場面が多々。彼らが師弟であることを強く再認識。


後半は生誕150年で、このオケとも縁のあったリヒャルト・シュトラウスから『ドン・ファン』と『ばらの騎士組曲。これまたとんでもなく豊麗。『ドン・ファン』の高音から低音まで幅広くよどみなく響き渡る様は聴いているこちらの感覚も大きく広がっていくよう。特に木管の巧みで丁寧な歌い回しは聴き惚れた。弦に溶け込む様など気が遠くなるよう。

ちょっとたっぷり目に始まった『ばらの騎士』の優雅なこと。実演を聴くことができなかったカルロス・クライバーの舞台とはまた違うが、一生忘れ得ない演奏だった。

それにしても、良いコンビだなぁ。オケが完全に一つの楽器となり、思うように奏でられる。ヤンソンスロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団首席指揮者を2015年で退任するが、バイエルン放送交響楽団は引き続き首席指揮者を続ける。今後の名演も楽しみだ。

リヒャルト・シュトラウス:ドン・ファン/英雄の生涯

リヒャルト・シュトラウス:ドン・ファン/英雄の生涯

 

 

ミニマル四天王「テリー・ライリー」来日。純正律の気持ち良すぎる前衛

クラシック音楽の延長線上にある「現代音楽」(佐村河内さん事件で注目を集めましたね)。その試行錯誤の中で、広くテクノやロック好きからも支持され人気を誇る1ジャンルが「ミニマル・ミュージック」だ。


肥大し難解になっていったクラシックの主流に対し、小さな音楽単位を繰り返したり、引き伸ばしたり、ズラしたりすることで音楽が構成され、“四天王”と呼ばれるのが、ラ・モンテ・ヤング、テリー・ライリー、スティーブ・ライヒフィリップ・グラスの4人だ(世の中的には映画『ピアノ・レッスン』で話題となったマイケル・ナイマンが最も有名かもですが)。その中の一人、テリー・ライリーが9年ぶりに来日した。


f:id:shinternet:20150208163420j:plain
53個のメロディーの断片を各奏者が(楽器は何でもOK)、好きな回数繰り返す曲「in C」で衝撃を与えた革命児も今や79歳。これが最後の来日かもしれないと、生ける伝説を聴きに行った(2014年11月22日)。

今回は、寒川裕人さんという1989年生まれの若い日本人映像作家との共演。何でも寒川さんによる、被災後の福島をテーマにした作品にライリーが共感してのコラボレーションということで、会場はコンサートホールではなく、東雲にある、倉庫のようなスペース。縦長の空間の四方に映像が投影される中、前のステージにてライリーが即興演奏を繰り広げる。

前半は福島の自然を収めた動画とのコラボ。なのだが、僕はコンサートの際、オペラやバレエは別にして、しばしば目をつぶって聴くので、今回もあまり映像は見ず、音楽に集中していた。プリペアドピアノで演奏が始まる。これはピアノの弦にネジやゴムなどを挟み込むことで響きを変質させる、ジョン・ケージにより広く知られることになった特殊奏法で、かつての前衛というか、流石に古さを感じさせる。が、逆にそのレトロな感じが、ユートピアな音世界を夢見続ける永遠の冒険家のようでグッと来る。

ピアノは今のピアノの調律である平均律ではなく、純正律だ。平均律は正確にキレイに響かないが、転調が可能。純正律は響きが美しいが、その分、転調ができない。よって、一つの音列に基づき演奏される(ジャズのモード奏法のようなものだ)。で、これがとにかく美しい。ライリーの指は衰えを知らずよく動き、モーダルな即興は瞑想的でとにかく心地良い。


ライリーがライヒと違うのは、ライヒがリズムにしろ音程にしろ、意図的な管理されたズレであるのに対し、自然はフラクタルよりもファジーであるように、ライリーは偶然的にナチュラルなこと。H20という分子の集合=水が無限に形を変えていくように、自然に音楽が生まれ、変わっていく。目を閉じ、その美しい音のシャワーを浴び、浸る。

後半はシンセサイザーでの演奏。戦争の歴史的映像が1日7秒ほど1年分流されるという作品とコラボ(1年で終わらず3年繰り返されたが)。こちらもモーダルな耳に不快感の全くない即興が繰り広げられる。そして、、曲が、終わった? ライリー、動かない。また弾くのかな?と思うが、全く動かない。7分経過。ライリー、立ち上がり、去る(笑)。こんなに長い余韻も初めて(笑)。
f:id:shinternet:20150208163455j:plain
ということで、1999年の来日時に聴いた、箏などと行った「in just C」のまだまだ若くいきいきとした感じとは違ってしまったが、今回は唯一無二のじわじわ来る温かさを感じた。年は取っても、さすがテリー・ライリーという公演だった。

 

【テリー・ライリーのアルバム紹介】

・テリー・ライリーの代表作というだけでなく、20世紀の音楽の中でも極めて重要な作品である「in C」。

Terry Riley in C

Terry Riley in C

 

 

純正律の代表アルバムが、「The Harp of New Albion」。

Riley: The Harp of New Albion

Riley: The Harp of New Albion

 

 

ブルーボトルコーヒーは何がすごいのか? 先行試飲レポート

クラリネット奏者が起こしたコーヒー革命

f:id:shinternet:20150205021107j:plain

“コーヒー界のApple”と言われるアメリカ・サードウェーブの代表コーヒーショップ「ブルーボトルコーヒー」がいよいよ2/6金、清澄白河にオープン。先行して行われたレセプションパーティーに伺いました。

ブ ルーボトルコーヒーは、元クラリネット奏者だったジェームス・フリーマンがステージを下りることを決め、音楽以外に愛してやまなかったコーヒーに生きようと、自宅のガ レージでお店を始めたのが最初。こだわりは、フェアトレードで仕入れたオーガニックの新鮮な豆を自家焙煎し48時間以内に提供する、というもの。

元々ジェームスは日本の喫茶店を参考にしたそうで、「正直、日本の珈琲の焼き直しでしょ?」とあまり期待していなかったのですが、いや、失礼、これがとても美味しかった!
f:id:shinternet:20150205020907j:plain
僕がいただいたのは、ドリップコーヒーから3種類。シングルオリジン、パプアニューギニアの「ワギバリー・ハニー」とケニアの「ニエリ・ガザイシ」と、ブレンドから「ベッラ・ドノバン」。シングルオリジン(スペシャルティコーヒー)とは、ブレンドされていない単一品種で農園や生産者も同一な高品質なコーヒーのことです。

ベッラ・ドノバンは割と濃い目で意表を突かれる。個人的には「ワギバリー・ハニー」の明るいナッティ感が好みでした。どれも共通して言えるのが、雑味のなさとフルーティな新鮮さとすっきり感。健康的な豆を新鮮にムラなく出している、というのを感じます(僕はこの後に用事があり、少し早めにこの場を去ったのですが、この後に出た水出しやカフェラテもかなり美味しいものだったそうです)(スペイン発の"コルタード"のアメリカ西海岸版というかブルーボトルに名付けられたという"ジブラルタル"など珍しいメニューも)

f:id:shinternet:20150205021152j:plain

結局真似だろうが後発だろうが、徹底的にやることですね。豆にこだわり、淹れ方にこだわり、デザインにこだわり。従業員全員が美味しいコーヒーを淹れられるよう指導し、安定した高品質でビジネスとする、というところも元々日本が得意とするビジネススタイルに通じるなぁと思いました。

共にガレージから始まったこともあり付いたという“コーヒー界のApple”という言葉は誤解を生む表現な気がしますが、ともあれ、スタバが上陸した時のようなインパクトを感じました。

 

スイーツもあったのでもちろんチェック。基本的に本国のメニューをそのまま持ってきているそうで、個人的にとても惹かれたのが、セサミ・アブセンス・シガー

f:id:shinternet:20150205021023j:plain

え、もしかして、かつて禁酒として知られた(僕の大好きな)アブサン?と思い尋ねるとやはりその通りで、生地を練る際からアブサン(もちろん現在の、危険ではないアブサン)を入れ表面にも塗っているそう。酒好きならマストですね!(が、ほとんど飛んでいて、アブサン感はあまりないw)

ここは清澄白河から歩いて7分ほどのところにあり席数も数席しかないですが、そう、ここはあくまで焙煎所。3/7には青山に2号店がオープン予定で、そこが実質の本店となるよう。

f:id:shinternet:20150205021243j:plain


最近は美味しいコーヒーを出すお店が続出していて差別化はかなり困難。ユーザーとしては「コーヒー戦争」というより「コーヒー天国」と捉え、様々なお店を楽しむのが正解でしょう。と、そんな中でも、やはり、美味しいシングルオリジンを気軽に飲めるブルーボトルコーヒーは、大注目のお店と言えそうです。

 

※オールアバウトが運営するカフェアプリ「CafeSnap」では、Uberと提携したタクシー無料キャンペーンなども実施中!(注:2015年2月28日まで)

http://cafesnap.me/

 

 

ブルーボトルコーヒー 清澄白河ロースタリー&カフェ
住所:東京都江東区平野1-4-8

 

〒135-0023 東京都江東区平野1丁目4−8 - Google マップ

 

 

ブルーボトルコーヒー 青山カフェ
住所:東京都港区南青山3-13-14

〒107-0062 東京都港区南青山3丁目13−14 - Google マップ

ショパンコンクール最新女王アヴデーエワの、心奪われるやわらかさ

2015年は5年毎に開催されるショパン国際コンクールの開催年。10月にはまた新たなスターが誕生することになるだろう。では、現在最新の優勝者、つまり前回大会の優勝者はと言うと、ロシア出身のユリアンナ・アヴデーエワだ。アルゲリッチ以来45年振りの女性優勝者と言うこともあり、大きな話題となった。

そんな彼女が本格的なCDデビューを行ったのが、ショパン24の前奏曲と、シューベルトの3つのピアノ曲、そして、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番を収録したなんと2枚組の大作。

そしてそれを受けるカタチで行われたショパン24の前奏曲全曲演奏を含む来日ツアーがあり、出かけた(2014年11月14日)。

全編を通して、バネがついているかのように跳ねる健康的なリズムも快いが、ともかく稀有だと感動したのが、思わず溜息が出るような美しすぎる音。度々聴かせる、触れば壊れそうなどこまでもやわらかい音を、忘れることはないだろう。

もちろん、万事やわらかな演奏というわけではない。タッチの種類はとても豊かで、まず1曲目のモーツァルトのピアノ・ソナタ第6番でその見事なパレットを見せてくれた。2楽章で聴かせてくれた和音のレガートも印象的だった。

続くリストでは、難曲を毅然と美しく、タッチの違いを駆使し、ドラマ性にも申し分なく聴かせる。「ヴェルディアイーダ』より 神前の踊りと終幕の二重唱」はオリエンタルな風が吹くようだったし、「巡礼の年第2年『イタリア』から ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」の三全音も美しい。

メインであるショパン24の前奏曲は、このかけがえのない詩を慈しむように奏でていく。この曲集は、病気の療養も兼ねてマヨルカ島に恋人のジョルジュ・サンドと共に居候した際に完成されたそうだが、例えば、有名な15番「雨だれ」にしても、当然悲壮感は皆無だ。雨だれもしとしと、というより、雨滴は光を浴びて輝くよう。だが、一転して転調後は、息の長い深い世界観が出現し心を奪われる。美しさと深さ。終始そんな感じなのだ。

ヒストリカル・ピアノの演奏なども積極的に行い、意欲的な活動を続けるアヴデーエワショパンコンクール覇者らしい彼女の活躍は、今年新たなスターが誕生しても、変わらず続き、また、人を感動させ続けるだろう。

 

アヴデーエワは2015年2~3月にトゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

http://www.t-gc.jp/

 

更に、2015年11月に同じくトゥガン・ソヒエフとベルリン・ドイツ交響楽団との公演あり。

http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=470/

 


主要クラシックコンサート2015年(来日オケ&オペラ) [クラシック] All About